犬の乳腺腫瘍

⚫はじめに

乳腺腫瘍は雌犬で最もよく発生する腫瘍で、病院でもよく遭遇します。
乳腺付近にしこりができ、ご家族の方がそれを発見して診察にいらっしゃる場合が多いです。
乳腺腫瘍は性ホルモンが関与していることが分かっており、性ホルモンの暴露が長いほど発生率が高くなります。よって避妊手術を早期に行うと乳腺腫瘍の発生率が下がります(初回発情前に避妊すると発生率は0.5%と非常に低くなります)。

しこりの場所、大きさ、数などを確認してから細胞診検査を行い、そのしこりが乳腺腫瘍なのか、他の種類の腫瘍を疑うのか、腫瘍以外を疑うのかを調べます。
※細胞診検査はしこりに細い針を刺して採取された細胞を顕微鏡で確認するもので、麻酔は必要なく負担はとても軽い検査です。