病理組織診断は「腸腺癌」という悪性腫瘍で、癒着していた大網や白いツブツブの結節はその播種(腹腔内全体に転移していること)によるものでした。
術前の針吸引細胞診検査で炎症細胞以外の異常細胞が見られなかったのは、腫瘍から続発した腸の壊死組織の細胞が採取されたからでしょう(壊死組織に腫瘍細胞がいないことがよくあります)。
今回のケースでは開腹手術によって、①本人の症状を改善させること、②なぜ閉塞したのかを精査することが達成されたことになります。

悪性腫瘍がお腹全体に転移しているため癌に対する治療は困難ではありますが、腸閉塞からは脱却でき、美味しくごはんを食べられるようになりました。


今回は数ある腸管腫瘍の一つのケースをご紹介しましたが、症状も治療も様々なケースがあります。
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