●悪性腫瘍

脾臓の悪性腫瘍で最も多いものは「血管肉腫」と呼ばれるものです。
血管肉腫は局所浸潤性と遠隔転移性が極めて高い悪性腫瘍で、肝臓や肺に高確率に転移します。
外科的な脾臓摘出を行うことで腫瘍による多臓器への圧迫や、腫瘍からの出血は防ぐことができますが、その後の生存期間は約2ヶ月と非常に厳しいものがあります。
外科治療後に化学療法(抗がん剤)を併用することで、遠隔転移の遅延が期待できますが、それでも外科治療後の1年生存率は約10%、2年生存率は約5%であり、根治が困難ながんといえます(腫瘍が破裂していた場合はさらに厳しい)。
とはいえ、中には2年以上転移がなく元気に過ごせている子もいるため、積極的な治療が望まれます。
血管肉腫は非常に悪性度の高いがんで、概してその発見が遅れる傾向にあるため、定期的な健診をおすすめいたします。